2025年度 共通テスト【英語リーディング】所感

こんにちは。

青藍塾講師の澁谷です。

遅ればせながら,今回は2025年1月18日に行われた,2025年度共通テスト(英語リーディング)についての感想を述べたいと思います。


まず始めに,難易度としては今年の問題は「易しめ」だったと思います。

実際に,共通テストを受験した生徒たち何人かに聞いてみたところ,「思っていたより易しかった」と答える生徒が多く,自己採点の結果も半数以上が90点を超えていました。


ただ,私には問題が易しかったことのほかにも,印象に残ったことがいくつかありました。

一つは,「問題文の文章レベルがあまりにも低く,内容も恐ろしくつまらない」ことです。

特に第3問の問題文章は構成があまりに酷く,一文一文の英文も文体があまりに稚拙すぎるので,こんな低レベルの英文を,大学進学を希望する受験生に読ませるとは信じがたいくらいです。

おそらく,出題形式ありきで問題を作成した結果,このような無理のありすぎる文章構成になったのだと思われます。

こんなどうしようもない問題を出すくらいなら,センター試験時代の出題形式のほうがはるかにマシだったと思います。

また,第3問に負け劣らず酷かったと思うのが,第6問です。

過去のセンター試験やあらゆる私立大学の入試問題を含め,こんな「しょうもない」文章を読んだのは生まれて初めてです。

私自身がこの問題を解いている時には,問題文のあまりの幼稚さに気を失いそうになりました。

そもそも問題設定からしてあまりに不自然であり,その物語の内容に関しては(あえてなのか?)小学生が考えたのかと疑いたくなるような酷いものです。

(あまりに酷いストーリーなので,まだ読んでいない方はぜひ読んでみてください。そのつまらなさにきっと失神します)

読んで解いたところで何一つ学ぶところがない,まさしく救いようのない問題です。

「何のためにこんなあらゆる点において低俗な問題を出すのか」,「なぜ大学で学問を学ぶために,こんな小学生が書いたような文章を読む必要があるのか」,作問を担当した大学入試センターの責任者には説明していただきたいです。

そんななか,8つある大問で唯一まともだったと思うのは,第7問です。

この第7問だけは,内容が学問的であり,なおかつその英文のレベルも大学入試にふさわしい難しさであり,さらに文体や文章の構成も理路整然としている,良い問題でした。


二つ目に印象に残ったポイントは,「分量の多さ」です。

昨年度よりは減少したとはいえ,全体の分量は約4200語もあるため,高得点を狙うためには,やはり英文を素早く読み進めていく必要があります。

しかも,しっかりと内容のある文章ならともかく,今年度のような「内容も構成もへったくれもない,読む価値を微塵も感じないような文章」を80分間読み続けるとなると,相当な苦痛を伴い,集中力をそがれること甚だしいです。


しかし,志望校に合格するため,背に腹は代えられません。

ふざけているとしか思えない共通テストの問題に対しても,受験生としてはきちんと対策を立てる必要があります。

「レベルは高くないが,無意味に分量が多い試験」に対しては,「過去問を多く解いて,慣れる」のがよいと思います。

その際,例えば「本当の試験時間は80分だけど,自分はまだ高校2年生だから,今は100分で解いてみよう」というような練習方法はお勧めしません。

常に実際の試験時間内である80分で全問を解き切るように意識しましょう。

なぜなら,現行の共通テストは,上で書いたように,英文を深く分析して解釈に時間をかけるようなテストではなく,「時間がもっとあれば解けたのに!」というような問題は出てこないからです。

(共通テストのこうした出題傾向は,国立2次試験の問題とは大きく異なるものであるため,受験生は「共通テストのための英語」と「2次試験のための英語」を同時並行で学習する必要があり,受験生の負担は年々重くなるばかりです)

今の共通テストで出てくるような単語や文法は,高校2年生のうちにすでに身に着けておかなければなりません。

そのうえで,年度によっては5000語近くにもなる文量の過去問を繰り返し解くことで,80分で解き終わるように頭と体を慣れさせる必要があります。

もし,繰り返し過去問を解いているのに,何度やっても80分で解き終わらないのであれば,その場合はそもそもの単語や文法知識の定着がまだ不十分である可能性が高いです。


もちろん,弊塾では共通テスト対策を授業で指導しております。

高校2年生までに英文法を完成させ,高校3年生になってからは演習問題を中心に扱っております。

その際,「出題者の視点に立って問題を考える」といった思考方法なども教えています。

ご興味のある方は,ぜひお気軽にお問い合わせください。

最後まで読んでいただき,誠にありがとうございました。



















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