2016年度 千葉大学 法政経学部 後期試験 解答例

【解答例】

1 [出典:"The right to die", The Economist, June 27, 2015. pp.7-8]

問1 多くの西洋諸国政府が姦通や同性婚を認めているにもかかわらず,安楽死は未だ認めていないこと。(45字)

問2 医師の幇助による尊厳死を合法化することは,弱者たちが脅かされ,早死にすることが緩和ケアの安価な代案となる道への第一歩である。

問3 生命は神聖なものであり,苦しみに耐えることも人間としての尊厳の基盤となるという考え方と,自らの意志で自由に詩を選択することも人間の尊厳の基盤をなすという考え方があり,筆者は後者を重視すべきだと論じている。(100字)

問4 安楽死が非合法であるにもかかわらず医師と患者の間で暗黙の了解のもと内密に行われるよりも,医師の幇助による安楽死を合法にするべきか否かを公にきちんと議論するべきだということ。

問5 精神的な苦しみは身体的なものよりも他人からすると理解するのが難しいため,安楽死以外の選択肢について患者にきちんと説明したり,安楽死までの猶予期間を設けたり,主治医以外の医師と直接相談させたりするなどの保護策を講じる必要がある。


2 [出典:David Cutler and Grant Miller, "The role of public health improvements in health advances: the twentieth-century United States," Demography, Vol.42, No,1, 2005, pp.1-6]

問1 19世紀を通じて都市部における死亡率がより高かった状態。

問2 栄養状態の改善と,衛生に関する教育の普及,そして大規模な公衆衛生環境の改善の3つが死亡率低下の主な要因であり,これらに関する実証的な研究を行って,それらの重要性を認識すること。

問3 2人

問4 都市部から流れ出る汚水が,川や湖にある取水口に再び流れ込んでしまうこと。

 / 市内から排出された汚水が飲料水の水源を汚染すること。

問5 

(1) 砂や砂利で汚水をゆっくりと濾過してバクテリアを除去したり,圧力をかけて素早く砂や凝固剤で濾過したりして浄水していた。(58字)

 / 未処理の排水を砂などの入っている大きな水槽に注いで濾過したり,砂と凝固剤に水を圧力をかけて通して濾過したりしていた。(58字)

(2) Although effective

問6 感染症の原因に関する見解が異なっていたり,自治体がどういう形で介入するのか,またどの浄水技術を採用するのかが長く議論されたりして,市議会に浄水技術の導入を説得するのに長く時間がかかったから。

 / 市議会を説得するのにかなり長い時間がかかったり,病気の原因に対する考えの違いがあったり,水質浄化に自治体がどのように関わるべきかについて議論があったり,市が直接浄化を行うべきか業者に委託すべきか,どの技術を使うべきかについて意見が分かれたりしたから。

問7 公衆衛生,特に生活用水の水質を浄化装置などで改善することによって,感染症による死亡者を減らすことに成功したから。



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